2024 11,24 02:07 |
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2004 05,25 14:02 |
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「救う会」の小泉首相訪朝に関する緊急声明を読み、改めて問題について再考したい。
昨日の当コラムにおいて、訪朝前の政府側と救う会の考える「ノルマ」にかなりの温度差があったであろう事を書いた。上記の緊急声明を読むと、救う会のノルマはカナリ明確に示されていたことがわかる。 まず、「被害者家族八人の意思確認は、日本で5人の被害者らと会ってすべての状況を知ってもらっ た後になされるべき」との要請。北朝鮮の重力圏内での意思は本人の意思たりえないのはハッキリしていることで、事実ジェンキンス氏は(ただし、彼の場合は他の事情の比重が大きいため、帰国できた5名とは分けて考えるべきだとも思うが)帰国の意思を表明しなかった。救う会の危惧していた状況に、そのままハマってしまった格好になる。 次に「十人の未帰還者に関して北朝鮮が提供した情報はでたらめだと主張し、実質的進展があり得ない共同調査委員会での調査は絶対に受け入れない」との要請。これに関しては「でたらめだと主張」し、北もそれを認めている。しかし調査においては日本側の介入も調査報告の時期も明文化されておらず、口約束による時間稼ぎとの謗りは免れない。要請の実現度は、せいぜい2、3割といったところだろう。 最後に「政府認定以外の拉致被害者についても追及」。これは全く触れられていない。達成度0%である。 救う会の課したノルマについて、進展は少なかった。最大の関心事であった家族8名の帰国について考慮しても、達成率は4割に満たない程度だろうか。さらに日本は「人道支援(身代金)」「経済制裁の凍結」「特定船舶入港禁止法案の可決中止」「数項目にわたる合意事項」といった大きなカードを次々に、そして早々に切ってしまった。今後の交渉においてマイナスとなるのはまさにこの部分だ。本来、「拉致が進展しないから支援も合意も白紙だよ~ん」とか言えるくらい強く出られる立場の筈なんだが・・・ 山拓の訪朝に続いての小泉訪朝で、世論も期待した。それ以上に救う会の期待は大きかったはずだ。訪朝前に政府に提出した要望は、決して無茶なものではなく実現可能な範囲内にあったと思う。 確かに5名の帰国はエポックメイキングであり、十分評価に値する成果といえる。しかし、小泉首相はそれ以上にかけられていた期待に大しては、成果をあげられなかったということだ。 今回も蛇足になるが、新聞での世論調査にて「今回の訪朝は評価できるか?yes/no」という設問は非常にやり口が汚いと思う。5名が帰国している以上、それに対しては誰もが(程度の差こそあれ)成果を認めているのだから、yesかnoかと聞かれれば多くがyesと答えるに決まっている。世論の誘導以外の何者でもない。 PR |
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