2024 11,24 04:12 |
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2004 05,24 11:57 |
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小泉首相の再訪朝が終わり、日本の中でも賛否両論入り乱れている。
しかし「救う会」、個人的に信頼するコメンテーターも総じて結果については否定的だ。 肯定論の多くは「家族が帰ってきたじゃないか。これを成功といわずなんとする」というものが多く、 私も基本的にこの考え方に賛同。すなわち肯定論者。 対して否定論の多くは「あれだけの対価を払って、得たものは5人の帰国と“調査の再開”だけじゃないか。小泉は国を売ったのだ。」との向き。600億とも言われる対価を払っている以上、こういった批判が出るのも当然だろう。 ただ、この「対価を払う」という事項は訪朝前から決まっていたことであり、今更叩いても、という印象は拭えない。それに引き換え、「600億を対価に、何を得るのが目的か」という部分についてはずっと明確にされてこなかった。当然、・拉致された(数十~数百人単位の)邦人を全員帰国させ、・核を明確に永久に廃棄させる、 ことができれば文句はないのだろうが、今回の訪朝でそこまで解決できると考えていた人は居ないだろう。しかしそれぞれの立場や考え方によって、「最低限の目的」という部分にかなりの温度差があったのは事実のようだ。「救う会」が手厳しく批判するのも、ここに原因があるのだろう。 「救う会」は、「5人(+ジェンキンスさん達)の帰国は当然、行方不明者10人の所在を明らかにする」ところまでを最低条件とし、政府は「5人(+ジェンキンスさん達)の帰国」をノルマとしていたようだ。600億円かけた成果にどこまでを期待していたか、ここに「肯定論」「否定論」のラインがあるように思う。 そもそも90分という短い会談時間からもわかるとおり、小泉訪朝前に外交官レベルで会談の結果は決定していたはずであり、首相が訪朝する理由は「北朝鮮の体面を保つ」という一点に過ぎなかったのだから、訪朝前から「行方不明者10人については“再調査”」という結論は出ていた筈。小泉含め、政府の設定したノルマはそこまでであり、「救う会」の望みは訪朝前から叶わないことが決まっていたわけだ。それでも政府はその成果に「600億の価値」を見いだし、「救う会」は成果が足りないと感じた。 もちろん支援の金額だけではなく、“これで金正日がまた「拉致は完全に解決済み」と言い出すのではないか” といった心配もあるだろう。行方不明者10人で終わらせていい問題ではなく、数十~数百人単位での帰国が実現しない限り、拉致問題に終わりは訪れない。それだけに、まだまだ時間をかけて一つづつ歩みを進めていく必要がある。 ジェンキンスさんの説得にも失敗したことで「8人の帰国」が実現せず、行方不明者10人の調査も、期限を設けることをしなかった。今回の訪朝が、短期的に見て拉致問題にマイナスの影響を及ぼすことになる可能性は否定しない。けれど、何らかのアクションを行わなければ、今回の5人の帰国はいつまでも実現しなかったかもしれないのだ。長期的に見て、ここ一年ずっと膠着状態で進展のなかった問題を打破することに成功した、という点は評価されても良いのではないかと私は思う。 蛇足ながら、小泉訪朝とその成果を最も評価しているのが、あの朝鮮日報だというのが面白い。 PR |
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